第十二話「めおと蝶」、ずっと嫌な感じだった夫が初めて本音を見せるシーンが良かった。今まで虚勢を張っていたんだっていうのがわかって。
今回、主人公と旦那を演じた二人の年齢差はかなりあるみたいなんだけど、前回の「おもかげ抄」と違ってあまり違和感はなかったな。主演女優が年齢不祥な感じなので。
これが最終回。とうとう終わってしまったか。好きだったんだよなこのシリーズ。純粋なクオリティのせいだけじゃなくて、低予算でいろいろ制約がある中で、いいものを作ろうとして一生懸命な感じが伝わってきたから好きだったんだと思う。
ちょっと残念だったのは、正月明けの後半部分から武士が主役の話が多くなってしまったこと。前半は町人中心の話で、武士は出てきても脇役だったのに。普通の庶民が主役の話をもっと見たかったな。
流れてくるCMが健康系ばっかりで、視聴者の年齢層の高さを実感させられることが多かったことも今となってはいい思い出だ。私と同年代の人はほとんど誰も見ていなかったのかもしれないな。
最終話まで全部見終わったので、好きな話ベスト5をば。
- こんち午の日
- 初蕾
- 夜の辛夷
- 泥棒と若殿
- 釣忍
「こんち午の日」はダントツで好き。特に主人公が好き。冴えない豆腐屋っていう設定も、お人好しで芯の強いところも。
「初蕾」は、半之助に対してはいろいろと言いたいことはあるけど、義理の親子の情を描いた物語として面白かったし、スッキリしたハッピーエンドだったからこの位置。
「夜の辛夷」は、恋愛物としては一番好み。お滝が全然男に都合のいい女じゃないんだよね。そして元吉のほうも女が自分に尽くしてくれるとか、女らしいとか美人だとかそういうところに惚れたんじゃなくて、お滝のたくましさに惚れたってところが良かった。
このシリーズは役者がショボいとよく言われるけど、私はあまりそうは思わなかった。「お美津簪」では耐え難いレベルの演技を見せられたけど、それ以外の回ではそんなに気になるほど酷いのはなかったような。
地上波の人気ドラマでだって、モデル上がりやアイドルの下手な演技を見せられることはよくある。そういうのに比べてこのシリーズの俳優陣の演技が劣っているとは思えない。特に「こんち午の日」なんかはみんな上手くて、無名でも上手い俳優はやっぱりたくさんいるんだな、って感心したんだけどな。
知名度が低い俳優が多いのは確かだよ。でも、知名度ってそこまで大事なものなんだろうか。私はむしろ俳優陣のあのマイナーさ加減が気に入ってた。テレビに出まくって見飽きたような人ばっかり出てくるより、新鮮味があっていいと思う。
DVD出ないかな。出たら多分買うんだけど、難しいのかな。見てる人もあんまり多くないようだったし。